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通信方式研究室

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研究内容

本研究室では、無線通信システムにおける無線伝送・セキュリティ・電波伝搬に関する諸技術について研究を行っている。特に、移動通信の高度化を目指して、次世代移動通信技術や電波伝搬などの移動通信に関する基盤技術の研究、および、無線セキュリティや位置検出技術などの電波応用技術の研究を行い、高速大容量・高信頼性かつ安全で使いやすい移動通信の実現に寄与することを目標にしている。研究の実施は、新しい方式や技術を検討し、その有効性を計算機シミュレーションや屋内外の無線実験で評価することにより行う。

 

主な研究テーマは、移動通信やその他の無線通信分野における、以下の技術である

(1) 高速大容量かつ低コストでユーザーにとって使いやすい無線通信を実現するための次世代移動通信技術の研究
(2) 安全安心な無線通信を実現するための無線暗号・セキュリティ技術の研究
(3) 確実かつ経済的なサービスエリアを形成するための電波伝搬の研究、および、無線通信の用途をさらに拡大

 

1.次世代移動通信技術

移動通信の分野では10年程度を一つの単位として世代更新が続いており、第四世代移動通信システム(LTE-Advanced)が既に開始されている。さらに、さらなる高速・大容量・高信頼性・ハイレスポンスを目指した第五世代の移動通信システムの研究開発が世界的にも開始されている。無線通信のパーソナル化・ユビキタス化に伴って通信量の大幅な増加は必須であり、第五世代移動通信は前世代の第四世代に対して約1000倍の通信容量を実現する超大容量ブロードバンド通信が必要と言われている。また、「いつでも、どこでも、誰とでも」という表現に象徴されるようなユーザーにとって使いやすいフレンドリーな通信を、気軽に使えるような低コストで提供するような技術を実現することも大きな課題である。
これらの課題に対して当研究室では、次世代移動通信における各種基盤技術の研究開発を進めている。これらの研究は、限られた周波数資源の中でブロードバンド無線伝送を行うための方式について基礎研究を行うものである。具体的には、OFDMやMIMO等の伝送技術およびその関連技術、コグニティブ無線、などを研究対象としている。これらの方式について、新しい技術を考案し、それを計算機シミュレーションによって性能を定量的に評価し、その有用性を確認する。

 

2.無線暗号・セキュリティ技術

無線通信では、全ての情報は当然ながら無線チャネル上で伝送される。送信点と受信点がケーブルなどによって接続され、限られた範囲にのみしか信号が伝搬しない有線信号伝送とは異なり、無線による信号伝送は、その受信者・受信位置を限定することが基本的に不可能である。そこに、情報の盗聴・漏洩・改ざんなどのセキュリティ上の危険性が存在する。無線LANでは通信情報の盗聴が問題となるがこれは典型的な例の一つである。当研究室ではこのような問題に対し、暗号化により情報の傍受・漏洩を防ぐための秘密鍵を送受信機間で共有する方式に着目し、無線通信の特徴である無線チャネルの可逆性(相反性)を利用して、無線チャネル上で鍵の情報を伝送せずとも送受信機間で秘密鍵を共有できる新しいメカニズムを考案した。この方式について、伝搬環境を想定した計算機シミュレーションを実施し、その性能を定量的に評価する。
さらに、このような無線チャネルの特性を、他の各種セキュリティ技術に応用し、新しいタイプの無線セキュリティ技術の研究・開発に取り組んでいる。その例としては、無線通信における秘密情報伝送技術、無線ステガノグラフィ技術などがある。
 

3.電波伝搬・電波応用技術

近年、自動車が相互に通信し、安全運転を補助するシステムが検討されている。たとえば、交差点に進入する際に、見通し外となる車両が相互に通信しあうことにより出会い頭事故を未然に防止するようなアプリケーションが想定されている。このような安全を目的とした無線通信には高い信頼性が求められるが、その基本となるのが、サービスエリアの推定技術である。無線通信を実現する電波がどの程度の距離まで到達可能であるのかを明らかにすることは、信頼性の高い通信の実現には必須となる。当研究室ではこのような、電波伝搬特性の解明に関する研究を行っている。対象となる無線通信としては、前述の車車間通信の他、携帯電話などの移動通信や無線LANに代表される屋内通信などがある。
また、近年、無線通信はその本来の目的である通信用途以外に、多くの関連技術に応用が進められている。代表的なものは端末の位置検出である。将来のユビキタスネットワークを実現するためには、端末およびそれを使用するユーザの位置を認知することが必要であるが、ユビキタスネットワークで必要とされる数~数十cm程度の精度で位置を検出することは必ずしも容易ではない。これを無線通信の電波を用いて実現する技術の検討を行っている。また、その他、他地点の電波伝搬特性を推定する技術や伝搬特性をより能動的に変化させて無線通信特性を改善する技術などの基盤技術に関する検討を行っている。